見所/感想『応天の門』 菅原道真と在原業平をバディに配し平安時代の「闇」を描くサスペンス

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応天門の変を題材にした『応天の門』 のあらすじ・見所を感想を添えて紹介。

菅原道真と在原業平がホームズとワトソンよろしくコンビで、京都の謎を解いていくという、歴史モノ好きにはよだれが出る「応天の門」の魅力をご紹介します。

 

この記事を読めばすぐに、あらすじや登場人物、見どころを理解できる内容になっているので是非最後までご覧ください。

 

 

菅原道真と在原業平をバディに配した『応天の門』 のあらすじ

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まずは『応天の門』 の設定やあらすじ概要についてご紹介します。

  • ジャンル:歴史、クライム・サスペンス
  • 作者:灰原薬
  • 掲載誌:月刊コミック@バンチ
  • 巻数:既刊11巻(2019年7月9日現在)

 

平安時代を舞応天門の変を題材にした台に

宮廷きっての艶男で女好きな在原業平(38)と秀才だが口が悪い菅原道真(18)、年の差凸凹コンビが怪事件(妖怪の仕業だと思われているが実は人為的な物)を解決していくという平安サスペンスストーリー。

 

政争渦巻く平安の世にあって、魅力的なキャラクターたちが織り成す群像劇。

歴史知識0でも問題無、むしろ引き込まれる傑作です。

 

あらすじ

藤原氏が朝廷の実権を掌握しつつあった時代。

平安京の貴族たちの間では、その藤原氏の屋敷から夜な夜な下女が行方不明になるという事件の噂で持ちきりとなっていた。

貴族たちは「鬼の仕業」と言い出し、その噂は帝の耳にも届くようになった。

 

都の守護を務める在原業平は、帝の命を受け犯人捜しを始めるが、下女誘拐の犯人として自身の縁者である紀長谷雄が捕縛されてしまう。

長谷雄の無実を証明しようとする業平は、捕縛の場に居合わせた長谷雄の学友・菅原道真に協力を依頼し、不承不承協力を約束した道真と共に犯人捜しを続けることになった。 

 

『応天の門』 の実在した登場人物たち

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「応天の門」の登場人物は実在の人物だから興味がわく、主人公の菅原道真と在原業平だけではなくて、全てのキャラに個性があり魅力的。そんな彼らをご紹介します。

 

在原業平(ありわら の なりひら)

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(出典:『応天の門』)

 

左近衛権少将。都の守護を務める役目柄である『応天の門』の主人公。

好色漢として有名で、数々の貴婦人と浮名を流しており、女性の香を聞くだけで誰のものかわかる特技をもつ。根っからの人たらし。 

 

在原業平は様々な作品で登場しているが、『応天の門』在原業平は酸いも甘いも噛み分けた色男であり、真面目な官僚で、色事以外の教養にはあまり通じていない。

 

菅原道真(すがわら の みちざね)

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(出典:『応天の門』)

 

口の悪い引きこもり天才青年「菅原道真」が『応天の門』のもう一人の主人公。

人と馴れ合うことが嫌いなため、屋敷に閉じこもりなことが多いが、学問に秀で洞察力もあるため、業平に度々事件への協力を頼まれている。

 

三大怨霊のはずの彼が怨霊をはじめとするオカルトをまるで信じず

(当時の枠内の)科学的根拠に基づいて理論的に事件を解決していく


厄介事に巻き込まれるのを嫌い常に相談者へ突っ慳貪な対応をとるが、相手の心理を汲み取り応じる優しさや、普通の貴族と違い、民衆とも分け隔てなく接する。

 

菅原是善(すがわら の これよし)

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wiki/菅原是善

 

菅原道真の父の菅原是善は、子供時代から嵯峨天皇のお気に入り

藤原家の恐ろしさを知り逆らえず、是善パパは道真に藤原氏(=政治の中枢)に関わるな、と言い道真には藤原家と関わって欲しくないと思っている。

たびたび道真に対して先を行く大人の存在感を見せつける

 

藤原良房(ふじわら の よしふさ)

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(出典:『応天の門』)

 

「藤原良房」は、北家を率いる朝廷の実力者で、今上帝の外祖父でもある。

後に娘の産んだ清和天皇を即位させ、外戚として権力を握て、応天門の変によりライバル貴族であった伴氏・紀氏の勢力を奪い、皇族以外では初の摂政となる人物である

 

この作品は菅原道真が主人公なだけに、藤原サイドがとにかくダーク…

自身と藤原氏の権勢を強めることに執着し、その妨げになる人間は一族の者であっても容赦しない。この時代の藤原氏の怖さが分かる。

 

 歴史知識0でも問題無『応天の門』 の見所3選(若干のネタバレ含む)

『応天の門』 には見所や特筆すべき点があります。

その中でもおすすめのポイントを厳選して紹介します。

 

綺麗な画で描く平安の世界観

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(出典:『応天の門』)  

 

中世らしい野蛮で血腥い平安の世界観を、灰原さん美麗な絵や世界観で表現している。

凄まじい画力で、平安初期というレアな時代を描き切っているとこが非凡、視覚的にも内容的にも老若男女に勧められる作品となっています。

 

女性キャラがすごく皆綺麗で良い…。

老若男女問わずを魅力的に描ける漫画家さんはやはりすごい

 

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権力争いでドロドロな戦いを繰り広げる京の貴族ども

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(出典:『応天の門』)  

 

サスペンス要素だけではなく、政治 実は事件の大半には有力貴族とかが手を引いてて朝廷の権力争いの面や、当時圧倒的な権勢を誇っていた藤原家に、天才・菅原道真が挑んでいくという物語の背骨があるのが特徴

 

平安初期の歴史を探りながら読むと面白い漫画でもあり、ごく普通にサスペンスものとして読んでも面白い漫画なのでオススメしてます。

 

漢文や古文にイマイチ興味を持てない人に是非

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(出典:『応天の門』)  

 

862年から始まり、クライマックスと思われる866年の応天門の変まで4年

厳密な史実よりもまず間口を広くして、多くの人に歴史好きになって欲しいというスタンスの作品なので、当時の貴族社会の文化に関する説明が丁寧で、「千年ほど前に世界はどう捉えられていたのか」という視点は歴史に疎い人間でも読みやすい。

 

歴史学者の方が監修をしているだけあって平安時代についてかなり忠実に描いているので、歴史好きの人にもオススメでき全体的に非の打ち所がない。

 

快事件を「科学」的にアプローチしていく

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(出典:『応天の門』)  

 

本作のテーマの一つは「科学」

この漫画の新しい所は、妖や呪いみたいな超自然的現象を「科学的に」推理して解く所

 

妖怪とか鬼(妖怪の仕業だと思われているが実は人為的な物)とかが普通に信じられてた時代に、非科学的なことを全く信じない道真による謎解きが面白い

 

学問をどのように役立てるかということを意識的に描いている作品です。

 

 

  

原作▼

 

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

『応天の門』 を紹介しました。 悲恋の過去を持つ女好きイケオジ在原業平と、無愛想で口が悪い引きこもりエリート菅原道真による「バディ・ミステリ・平安」もの、という好きな人にはクリーンヒットする漫画です。

絵の上手さ、歴史上の多彩なキャラの良さ、話の面白さ、時代考証、思想の方向性など、すべてのバランスが良い漫画なので是非読んでみて下さい。