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感想/内容紹介『どろろ』手塚治虫が遺した傑作漫画

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『どろろ』の魅力を紹介していきます。

魔神にからだの四十八か所をうばわれた少年百鬼丸!

安住の地を求める百鬼丸には、常に妖怪がつきまとうのだった!彼の刀をねらう奇妙な相棒、どろろをくわえて妖怪退治の旅が始まる!

 

『どろろ』はここが魅力

主人公の百鬼丸が12体の魔神を倒して自分の身体を取り戻していく

飢饉と疫病、鬼神と化物が跋扈する戦乱の世が舞台。

欲の深い親父が生まれたばかりのわが子を犠牲に契約した魔神に身体の四肢五感や、十二部位の48パーツを持っていかれ、不具者として生まれた赤子が、ほぼ全身義体で、生まれる前に自分を引き裂いた魔神たちを倒して、自分の身体を取り戻す旅を始める物語

 

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(出典:『どろろ』)

 

身体を取り戻す代わりに他の大切な何かを失っていく過酷さがとても良い…。

 

タイトルの「どろろ」は主人公でなく相棒となる少年

渦中の人物である百鬼丸ではなく、それに付き添う乞食小僧の「どろろ」をタイトルにして、ひと捻りしているのが面白い。 

百鬼丸、どろろのコンビで役割がハッキリしており、ストーリーに無駄がなく

暗い世界で百鬼丸の側にいてくれるどろろの明るさが救い

非情な修羅の道を征く盲目な彼の目に映る世界、正義や道理を幾重にも重ねた深い作品

 

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(出典:『どろろ』)

 

戦いを経るごとに主人公が人間性を獲得する

  • 人間性が希薄な頃の主人公の方が、魅力的で清々しい

恐らく数ある漫画の中でも特に境遇の過酷な主人公だろう。

視覚も聴覚も無いままで生きてきた百鬼丸の無機質な陰の部分が上手く表現されていて、本来ならこんな風になってしまうんだろうと妙に納得させられる。

 

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(出典:『どろろ』)

 

薄れていく超越性と取り戻していく人間性のジレンマが描かれていて。

物語が進むにつれほとんどの人間性を失っていくのが痛々しくも感じ、普通の人になりたくて始めた事なのに、かえって業が重くなっている描写は、切なくなくも感じる。 

 

原作の百鬼丸は少年漫画の兄貴分主人公って感じで、こうした「次第に人間性を取り戻していく虚ろな青年」というアニメ版の人物像とは、ある意味対照的な造形。

 

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(出典:『どろろ』)

 

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(出典:『どろろ』)

 

原作▼ 

 

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

『どろろ』を紹介しました。

百鬼丸の人間的な感情と、魔物に奪われて失ってしまった人間性、また苦悩と煩悩、失ってからわかること、色々な題材がある作品です。

個人的に手塚治虫の作品の中でも「現代でも確実に通用する」一作だと思うので、興味があれば読んでみて下さい。