感想と見所紹介『ペリリュー─楽園のゲルニカ』可愛い絵柄で「リアル」な戦争を描く

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可愛い絵柄で「リアル」な戦争を描く『ペリリュー─楽園のゲルニカ』あらすじ・感想、見所

 

『ペリリュー─楽園のゲルニカ』というタイトルで、戦争末期、日米両軍が多数の犠牲者を出した悲惨なペリリュー島での戦いを、テーマをカワイイ絵柄でリアルに描いた作品の魅力をご紹介していきます。

 

このページを読めば、『ペリリュー─楽園のゲルニカ』のあらすじや登場人物、見所を十分理解できる内容となっているので、是非最後までご覧ください。

 

史実に基づいた激戦 『ペリリュー─楽園のゲルニカ』あらすじや

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まず『ペリリュー─楽園のゲルニカ』の作品概要やあらすじについてご紹介します。

 

作品概要について▼

  • 作者:平塚柾緒・武田一義
  • 掲載誌:ヤングアニマル
  • 巻数:既刊7巻(2019年7月現在)

 

太平洋戦争時中の1994年代の玉砕戦の一つ、日本から3000キロ南の太平洋に浮かぶパラオ諸島ペリリュー島飛行場を巡り日本軍1万対・アメリカ軍4万の凄まじい激戦のお話

2ヶ月の戦闘で守備隊1万1000がほぼ全滅(捕虜含め生存者237、生存者34人)

 

あまりに痛ましく、一万人以上が戦死した戦場を描く以上地獄しか待っていない展開ですが、戦争を真正面から描いた作品。

きついけれど、「日本人として知っておかねばならない物語」

 

あらすじ▼

昭和19年、夏。太平洋戦争末期のペリリュー島に漫画家志望の兵士、田丸はいた。

そこはサンゴ礁の海に囲まれ、美しい森に覆われた楽園。

そして日米合わせて5万人の兵士が殺し合う狂気の戦場。

当時、東洋一と謳われた飛行場奪取を目的に襲い掛かる米軍の精鋭4万。

迎え撃つは『徹底持久』を命じられた日本軍守備隊1万。

 

祖国から遠く離れた小さな島で、彼らは何のために戦い、何を思い生きたのか──!? 

 

『ペリリュー─楽園のゲルニカ』の登場人物たち(ネタバレ含む)

『ペリリュー─楽園のゲルニカ』は、極限状況で露呈する人間性、戦争の生々しさ、日本人のメンタリティなど、登場人物か人間の本質が可愛いキャラクターによって描写されています。そんな彼らを一部ご紹介していきます。

 

田丸一等兵

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 (出典:『ペリリュー─楽園のゲルニカ』)

 

漫画家志望の内気な主人公は、功績係に任命され、戦死した兵士たちの「兵士の立派な最期」、遺族を「救う」ための嘘の話をでっちあげる任を負う。

 

この主人公が本当に普通の気の優しい青年なので共感できるのだが、そんな彼でも周りの人間の死に対する感覚がどんどん摩耗しているのが分かって怖い

 

主人公の、お母さんに向けて心の中で話しかける呟きが、読むたび胸が苦しくなる…

 

吉敷上等兵

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 (出典:『ペリリュー─楽園のゲルニカ』)

 

田丸と同期ながら、成績優秀により上等兵に抜擢された。

強い意志と正確な状況判断と高い戦闘能力持つ吉敷と、迷いが多いが広い視野を持つ田丸は絶妙のコンビネーションで死線を潜りぬけていく

 

「アメ〇ぶっ倒す!」ってイケイケだった吉敷が、とどめを刺す前の米兵士が死ぬ直前に「ママ」って呟いたのを聞いて相手は、普通の家族がいる人間だと気付いて吐いてしまう場面がとても印象深い、彼もまた「人」としてて描かれている。

 

島田少尉

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 (出典:『ペリリュー─楽園のゲルニカ』)

 

田丸の所属する第二小隊の隊長を務める。

帝国軍人の型にとらわれてるけど、同じ隊の兵士の死に涙するなど、情に厚い一面を持つ。人柄は尊敬でき、部下からの信頼を集める若き少尉。

 

小杉伍長

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 (出典:『ペリリュー─楽園のゲルニカ』)

 

田丸・吉敷と同じ分隊に所属。

初年兵の田丸らにとって心強くもあり、どこか怖さも感じさせる人物。

 

喧嘩から戦争まで争い事の回避スキルが異常に高く、単独行動をしている。

クズいキャラに見えるかもしれないが、最後まで、根っからの悪人ではないが実はいい人って訳でもない。わかりづらいけど優しい…?のが分かる。

 

片倉兵長

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 (出典:『ペリリュー─楽園のゲルニカ』)

 

命令に背くやつは殺すマンの上司

規律を乱す人を粛清するし、死ぬまで任を果たすだとか、言っていたが、死が怖いと言うようになり人間らしさがでてきて、最期はきっつい

組織を無視出来ない中での振る舞い、言動の描写がとても丁寧

 

『ペリリュー─楽園のゲルニカ』の見所3選(ネタバレあり!) 

リアルな描写の数々に 、息もつかせない場面の続く『ペリリュー─楽園のゲルニカ』には、おすすめしたポイントがたくさんあります。

その中でも特におすすめの見所を厳選してご紹介していきます。

 

ほのぼのした絵と凄惨を極める戦場のギャップ

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 (出典:『ペリリュー─楽園のゲルニカ』)

 

この作品の最大の特徴は、ほのぼのした絵と凄惨を極める戦場のギャップが最大の特徴

 

登場人物のキュートなルックスと彼らの身に起きる戦慄とのギャップ、和みと殺伐さに突っ込んでいく対比が凄まじく、リアルな絵より妙な臨場感煽る…

 

実話に基づくフィクションではありますが、戦争漫画によくありがちな反戦を全面に押し出した内容でもなく、美談で飾られたものでもない、閉じ込められた殺し合いの島での激戦を生き抜いた日本兵が如何なる日々を送り何を考えたか…

それを可愛いキャラクター達が教えてくれる作品。

 

蛮行が記されているのが珍しい作品

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 (出典:『ペリリュー─楽園のゲルニカ』)

 

アメリカがやったこともだけど、日本兵がやった残酷な事もリアルに描いてる。

殺害した日本兵の顔面をくりぬき、金歯を奪取する米兵。

逆に日本兵も殺した米兵の陰部を切り取り死体を木に吊るして見せしめ

 

戦争とはお互いが狂っている状態。その極限状況で「体が生きることを求めている」感覚を持てる兵士たちのひたむきさに心動かされます。

 

「飢え」 と「あっさり死んでいく人」 

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 (出典:『ペリリュー─楽園のゲルニカ』)

 

「怖いか?残酷だろう?これが戦争だ」ではなく、敵味方とも淡々と死んでいく

恐ろしい環境下で飢えに襲われ、米軍に襲われ、仲間がどんどん死んでいく。

飢えで正気を失っていた兵士が腹が満たされると酷く後悔する。

自分が次かもしれないという恐怖がリアルになっていく。

 

さっきまで笑っていた人が爆弾で吹っ飛ばされ、逃げ場のない穴の中で生きながら焼かれ、極限の飢えは体を中から腐らせ、蛆が沸く、劇的な死などない、実にあっけなく死ぬ。可愛らしい絵柄だがそんな描写が続く「地獄」の一言。

 

 

作者のコメント 

 『戦争や軍についての知識、70年前の常識について読者の方に勉強させるストレスをカットし、「戦争を体感」して貰うことを重視して描いています』

 

「兵士は、自分たちと変わらない普通の人だった。

今も世界で起きている戦争に想像力を向けてほしい」と作者は答えている。

 

作者は、生存者や直接現地に行き丹念かつ緻密な取材と調査を経てこの作品を描いているからこそ、特定の思想信条に偏らない史実の一端に触れることができます。

 

生存者の一人土田喜代一氏。

『楽園のゲルニカ』の取材に協力したが、肺がんで亡くなった。

激戦のペリリュー島から生還 土田喜代一さん死去:朝日新聞デジタル

 

ペリリュー戦を米軍海兵士の視点で語った作品

ペリリュー島の戦いアメリカ兵の視点で描いた作品をご紹介していきます。

 

『ペリリュー・沖縄戦記』

 

米軍海兵隊のユージン・スレッジ氏が自らの経験を元に書いた「ペリリュー・沖縄戦記」

この作品は従軍記の傑作として誉高く、米軍にとってもこの2つの島での戦いが如何に凄惨だったかを物語ってます。

戦場のゾッとする生々しさと日本軍に対する意外な視点が印象的

 

小学校なんかでやる「お年寄りに戦争体験を聞く」より数倍いい教材になると思う

小学生に読ませられる代物じゃないけど。

 

『ザ・パシフィック』

 

終始米国視点で物語が展開。ガダルカナル島、ペリリュー島、硫黄島、沖縄での米海兵隊の戦いを描いた映画。


アメリカ映画だが、アメリカ万歳な視点ではなく戦争の悲惨さをリアルに再現している

沖縄戦の描写は映画で観てもかなり辛いものがあり、戦場の描写(死体等)がリアルで臨場感が凄まじい。史実に則した戦争映画好きにお勧めしたい。

 

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。軽く感想を述べられるような作品ではありませんが。『ペリリュー─楽園のゲルニカ』を紹介しました。

 

勿論リアルな戦争モノなので、万人にはおすすめし辛いですが

近年は自重気味なグロ描写もこの漫画では容赦なく表現されており、戦争がどれだけ酷なのか、負の連鎖に繋がるのかを学ぶのに適役な作品です。

絵柄がとっつきやすいので、今こそいろんな人に読んでほしい漫画だと思います。

 

単行本▼

 

おすすめの戦争漫画はこちらで紹介していきます▼

 

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